広告業界人が読む、人気ブログランキング 2009を読んで

広告業界人が読む、人気ブログが発表された。
よく見かけるブログが多い。

とはいえ、広告主ブログが少ない。
河野武氏のsmashmediaだけ。

確かに自社の情報を開示することはできない。

しかし、世の中に公開されている広告の情報に対して、
意見を述べたり、情報発信できるはず。

なにより、このランキングに掲載された多くのブログが
公開情報をベースにしている。

広告主ブログの誕生を願う。

企業とブロガーの関係を開示せよ(米FTCがガイドライン改定)

ブロガーが製品やサービスのレビューを書く際、
企業から金銭や現物などの対価を受け取っていれば開示せよ、
という至極まっとうな話。
重要なのは、これを支払うのがブロガー側という点。

これで広告主側の責任がなくなったわけではない。

逆に、ブロガーに働きかけた広告主側(代理店含む)が
関係性を明示するよう丁寧に説明していたか。
企業のスタンスが問われる。

金銭にせよ、物品にせよ、
標準の記述フォーマットを提示してもいいかもしれない。
※この記事の執筆にあたり、○○社から交通費としての謝礼、
試供品、軽食などをいただきました。
とか。

改訂されたガイドライン上では、
「関係性の有無」を明記するとあるので、これくらいだろうか。

著名人マーケティングはさらに厳しい

さらに、ブロガーと書いたがもっと範囲は広い。
また、FTCは著名人にも目を光らせる。「著名人が、トークショーやソーシャルメディアなど従来の広告の範疇を超えたところで製品を推奨する場合には、広告主との関係を明らかにする義務がある」と、今回の改訂を知らせるリリースには書かれている。
「FTC、ブロガーによる製品レビュー記事などへの規制を発表:ニュース - CNET Japan」
ということで、PRイベントやtwitterまで広範囲に及ぶ。
著名人ブログを使った広告ソリューションは、厳しい監視下におかけるのだろう。

以上、アメリカのお話。

日本ではどうなるか

日本にどう影響するかはわからないが、
導入されてもいいように、ガイドラインを参考に運用を改めればいい。

ブロガー向けのイベントを提案してくる会社があれば、
「FTCの件、御社はどう考えてますか?」
と聞いてみよう。

「?」という反応であれば、
その会社には注意することをおすすめする。

WOMJあたりがくみ取ってくれるといいのだが。

※AFPニュースからlivedoorブログのニュース転載に失敗。
手作業で引用しようとしたら反映された。原因不明。

広告主進化論的「領域侵犯」のススメ

広告の定義が変わるのでは、という声が広告業界でよく聞かれる。
同じように「広告主」「広告代理店」「媒体社」も変わっていくだろう。

ということを気づかせてくれたのが、アドマンさんの「領域(りょういき)|アドマン2.0@デキる広告マンの作り方」。いいネタに感謝。

アドマンさんはこういわれたそうだ。
渡邊(=アドマン)さん、営業じゃないよね?

このコトバを聞いた瞬間、うわぁ、やっぱ空いてるわぁって思った。
そして、アドマンさんは、職種や役職、業界・業種の壁を超えて、仕事をすることをすすめている。

実は、わたしも同じようなことを言われた。
「広告主進化論さん、それって広告代理店の仕事ですよ

この言葉を聞いた瞬間、それって、決まりなの?って思った。
広告主であるわたしの仕事の領域は、
「広告主」というよくわからない定義に制限されるものではない。

いままで、広告代理店や媒体社にやってもらっている仕事だって、
不満があれば自ら手がければいい。

というわけで、アドマンさんがとりあげた3つの「領域」概念に追加させていただく。

4.広告関係者的領域侵犯⇒広告主、広告代理店、媒体社。

広告主だけではなく、広告代理店、媒体社の定義だって、もっと変わるはずだ。

最後に、ドラッカーの言葉を紹介する。
事業の定義のなかには、長く生き続ける強力なものがある。
だが、人のつくるものに永遠のものはない。

「企業低迷の原因は 事業の定義と現実との乖離 | 3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言 | ダイヤモンド・オンライン」から引用)

テレビ広告に現れた成果報酬制について考えた

業界歴の長い知人が「ブログのネタに」と、
ある広告商品を紹介してくれた。

「P&Gやコカ・コーラの成果報酬制が広告代理店にチャンスとピンチをもってくる」を読んだからだという。

企画書を読んでみると、
30分番組内に30秒のインフォマーシャルがついた
一般的なテレビ広告だ。

しかし、料金が「成果報酬制」になっている。

成果は商品・サービスの購入や資料請求などのレスポンスなど、
視聴者の行動に基づいている。

つまり、出稿費用=レスポンス数×獲得単価

まさにアフィリエイトだ。

テレビ広告の世界に成果報酬が浸透しはじめていたとは、
正直、わたしの想像を超えていた。

どんなテレビ番組か?

番組というよりセールス用の動画という雰囲気。
30分枠で商品・サービスの魅力を紹介する。

成果報酬制が成立する条件

むしろ、こうしないと売れない商品・サービスだろうし、
それでも採算がとれる商品・サービスになる。

ということは、
  • 説明商品
  • 高額商品
に限定されるだろう。

広告主にとってのリスク

番組としてのクオリティがどうなるか。

成果をだすために、強引に誘導するようなつくりをすれば、
視聴者を不愉快にするし、むしろ成果はあがらない。
当然、スポンサーに対する不信感もでるだろう。

商品・サービスのメリット・デメリットをしっかり伝える
中立的な番組制作が可能かどうか、気になるところ。

そのために、番組制作のリスクをメディア側がすべて負うのではなく、
固定費+成果報酬としたほうがバランスは取れる。

とはいえ、完全に成果報酬型になってしまったら、もどれないだろう。

将来性

発生した成果に対してのみ、支払いが発生するという意味で
成果報酬制は強力だ。

さきほどの条件に合致する商品・サービスが
採用する可能性は高い。

もし、わたしが担当者だったら、テストの意味合いも含めて試してみたくなる。

感想

とはいえ、この広告商品が広がったら、
ただでさえ面白くないテレビがさらに面白くなくなる。

思わず、知人に突っ込んだ。

わたし「これって広告宣伝じゃなくて、販売促進だよね。」
知人「要はショッピングチャネルの発想だからさ。」

いわれてみれば、昔からあるしくみとも言える。

もしかしていま見ているテレビ番組だって、ひょっとしたら…。

※というわけで、このブログで紹介してほしい広告商品があれば、
企画書をお送りください。
広告主視点で、感想を述べさせていただきます。

ただし、容赦ないので、それでもいいというかたに限ります。
なお、送付いただく場合は、PDFでお願いします。

検索結果を操作する「関連検索SEO」「逆SEO」「RFO」について考えた

GoogleやYahoo!の検索結果に、
他の検索ワードの候補が表示されるようになって久しい。
※「関連検索キーワード」と呼ぶらしい。

実はこのキーワードを含む検索結果を操作するソリューションがある。

操作できる(といわれている)範囲は、検索結果全体だったり、関連検索キーワードだったり、さまざま。
また、呼びかたも「関連検索キーワード削除」、「逆SEO」、「RFO」などさまざま。

当初は企業名で検索された際、
いわれのないネガティブな検索結果が表示される
いわゆる風評被害の対策として誕生したのだろう。

※参考
風評被害 - Wikipedia

しかし、いまでは自社に都合のいい検索結果やキーワードを
表示させる広告的な方向に拡大しつつある。

このソリューションを広告主はどう考えたらいいだろうか。

1.検索結果や関連検索キーワードは「広告」ではない

検索結果画面のうち、リスティング広告の表示部分は
対価を支払うことで広告主の望む情報を表示できる。

しかし、検索結果は、ウェブサイトの価値や検索エンジンの利用状況に基づく。

技術的にできることと、倫理的にやっていいことは違う。
※もちろん、倫理の基準は個人や法人それぞれだが。

そして、検索エンジンに対する操作行為が発覚した場合のリスクを認識しているだろうか。
操作行為を行った企業とその依頼元の企業、両者に対して、
ペナルティが課せられる可能性がある。

最近あった「PayPerPost」事件が参考になる。
※「PayPerPost」は、報酬に基づいてブログ記事を書いてもらう手法。

この「PayPerPost」を否定する立場のGoogleは、
関連するウェブサイトの「PageRank」といわれる指標を下げたといわれている。

※参考記事
GoogleのPayPerPost騒動の議論に思うこと : tokuriki.com

この「PageRank」は検索結果画面での表示順を決定する重要な指標だ。

ペナルティによって、検索結果での自社の表示順が下落するリスク、検索結果にすら表示されなくなるリスクをだれが負うのか。

2.操作が操作を生む可能性

関連検索キーワードに注目してみる。

いまのところ、自社のネガティブワードの削除や
自社と関連づけたワードの表示までがサービスになっているようだ。

しかし、しくみを想像すると、他社の関連検索ワードを操作することも可能と思われる。

すでに、このソリューションの目的が、
風評被害を避けるためのワード削除から、
リスティング広告まがいのワード表示へ変化しつつある。

このまま進むとどうなるか、
想像はお任せするがこの先の闇は深いと思う。

本質的には、検索エンジンが操作行為をどう防ぐか、という点にいきつく。

3.アンテナを壊すな

検索結果を「アンテナ」と考えたらどうか。

ネガティブな内容が表示されることは本質的な問題ではない
まず、内容に根拠があるかないか、が分岐点になる。

前者であれば、その理由を調べ原因を解消する。
もし後者であれば、風評被害として対応する。

例えば、以前製造した暖房器具に問題があった家電メーカーが、
謝罪とともに回収を呼びかけた。
利用者の多くは、その真摯な態度にむしろ好感をもった。

いま消費者が自社に対してどんな関心をもっているのか、
検索結果を操作すると、生の声がつかめなくなる。


もちろん、このソリューションを提供している個人や企業のかたは、
風評被害について困っている企業から相談されて、
解決策として提示しているのだろう。

しかし、一部の提供者が
過剰な発想でソリューションを拡大させていることが
歪みを生むのではないかと、懸念している。

根拠のない「風評」に対する手段が、
根拠のある「ネガティブな情報」を操作する手段に
なってしまうと危険だ。


そして、こうして考えているうちに、
広告主というより、企業としてインターネットにどう関わるか、
その本質が問われているような気がしてきた。

わたし個人の知見でいうと
「インターネットは真摯なコミュニケーションをする場」と思っている。

個人としても、所属する組織としても、真摯でありたい。

後記

書いておきながら、この話の難しさに悩んでいる。

実際に、風評被害にあっている立場のかたにしてみると、
じゃあ、どうすればいいんだ?という疑問をもつだろう。

なので、自分だったらどうするか、という観点で続編を書きたい。
ただし、少し時間がかかりそうなので、その点はご容赦いただきたい。
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